腸と宿便

腸と宿便

宿便というもの

トップページで少し触れた「宿便」について、少しご説明します。

 

30年近く前に「宿便」という概念が広まりました。
それは、大腸の内壁の≪ひだ≫に老廃物がたまって、消化吸収を妨げたり、排泄の邪魔をしたりする、というものです。
当時は、これのせいで便秘したり、便が細くてひょろひょろなのに出にくい、などと言われていました。
これは、腸壁にがっちりくっついているので、下剤では取れないのだ、とまで言われたので、「宿便を取ります」といううたい文句の健康食品まで登場しました。

 

M子さんもそれを試してみた一人です。
結構な高額だったのですが、他に売られていなかったし、一縷の望みをかけてみたのです。
空腹時に粉末を水に溶かして飲み、その時は食事を一食抜いて、固形物はお腹に入れません。

 

結果、確かによく効きました。
下痢状のものが大量に出て、おどろおどろしい様子でした。
これが宿便か!
と、その時は感動しました。

 

これは何度も続けないと、宿便が取りきれないと言われていたので、2〜3ヶ月続けました。
出ることは出てくれたので良かったのですが、これを飲まないと出ない、というのに少し困りました。
このままでは、ずっとこれを飲み続けないといけなくなる。
それは、費用面でも苦しいし、根本解決にならない、と感じたM子さんは、思い切ってそれをやめました。

 

その後、別の方法に出会い、それも「宿便取り」の目的もありましたが、体質を改善するという目的の方に合っていました。

 

それから何年も経ってから、「腸壁に宿便がつくことはない」と聞きました。
腸壁のひだは常に動いていて、そこに便がたまることはないそうです。
大腸がんの腸を内視鏡検査で視た映像を見ると、便らしきものは何もついていません。
※「憩室」(腸壁にできるくぼみ)がある場合はそこに何かがたまることはあるそうです。それで炎症が起こるんですね。
それから、大腸の腸壁にはたまらなくても、小腸には何らかの老廃物がたまってしまっている可能性もあります。
ただ、医師は「宿便」とは言いません。

 

宿便なるものが存在しないのなら、「宿便」だと思っていたものは、一体何だったのでしょう。
存在しないなら、何がお腹を詰まらせていたんでしょう。

 

詰まっていたのは老廃物、つまり便です。
ただ、それがうまく排泄されなくなっていたのです。
その原因と、突破口を探ってみました。


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